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【小説】「国銅」を読みました。
2006年06月18日 (日) 18:50 | 編集
国銅〈上〉
 以前、渋谷のブックファーストをブラブラしている時に見かけて、あるブログにこんな記事があったのを思い出し購入。

本屋さんに行くと、ついつい何冊も買溜めしてしまうので、読むヒマが出来ないまま2ケ月くらい本棚の肥しになっていたんですが、その後、たまたまNHKの「その時歴史が動いた」で大仏建立のエピソードを見て思い出しました。

歴私小説と言えば、やはり戦国〜江戸期物が王道だと思いますが、これはあまり馴染みの無い奈良時代。1200年以上前の古代ですね。
 
まだまだ大陸文化の影響が濃い時代の事、修学旅行ですら奈良へ行った事もなく、上手くイメージできるか期待半分で読んでみましたが・・・。

結論から言うと、5点満点で星4つ。
文句無し、面白かったです。

台詞は現代の標準語なので始めから抵抗も無くスムーズに読め、日本の美しい山海の描写は細やかで、小説ならではのイメージの膨らみを楽しめ、心配は杞憂に終わりました。
一大国家事業を背景に描かれる、律令時代の物流システムや建築・土木・金属加工技術のレベルの高さにも驚きます。

内容を簡単に説明すると、長門の国(現山口県)の銅山でひたすら苦役に従事する若者・国人(くにと)が、さまざまな出会いを経てついには都に上り大仏建立に携わるという約10年間をつづった物語りです。
しかし、この物語りの真の主人公は、幾千、幾万の名も無い技術者や人足達。その血と汗と命が染込んだ10年は、一人の英雄の物語りよりもはるかに貴い光を放つ大叙事詩です。

『職業に貴賤無し』

自分なんて、所詮社会の中のちっちゃな歯車ですけど、
物を造る人としての誇りを忘れずにいたいものです。

また、以前に読んだ本で、吉本隆明さんが
「素質が問題になるのは一丁前になってからだ。」
一丁前になるってことは「とにかく毎日(一生懸命じゃなくたっていいから)10年続けたらモノになるんだ。僕が保証する。」と言っていたのを読んで、同じように勇気づけられたのを思い出しました。



吉原御免状
「文句なし」と言いながら、星が一つ足りなかったのは、僕が好きな剣豪活劇じゃなかったから(笑)。
久しぶりに時代小説の醍醐味を味わったところで、僕としてはこの人の作品を思い出さないわけにはいきません。「国銅」の世界とは全く対照的ですが、「漢」の生き様を見たければ迷わずこの人をお薦めします。隆慶一郎
漫画「花の慶次」の原作者として、北斗の拳世代の貴男にはお馴染みでしょう。


まさに荒唐無稽な男のロマン。なんだかんだ言っても、男子はいつだって心のどこかでヒーローを目指してます。世知辛い日々に一服の冷や酒。爽やかに酔えます。


逆説の日本史〈2〉古代怨霊編そして、前半のリンクの記事内「平城京の水銀汚染」に関連して思い出したのがこの本。
週刊ポストで連載中の日本史論の単行本で、この巻では、平安以前の時代では未だ定説にはなっていない怨霊信仰に焦点をあてています。
歴史資料の記述に無いものは、頑として認めない歴史学会に対する著者の恨み節満載ですが(笑)小説家らしい視点で、当時の社会背景とキーパーソン達の心理を掘り下げて、感情移入しやすい形で論理を積み重ねています。

この中では、大仏建立の動機も長屋王の怨霊対策だったと言うスタンスをとっていて、この点だけでも面白いんですが、天智系vs天武系の皇位継承闘争とからめて、天武系聖武天皇の大仏事業が、後の帝、天智系桓武天皇の平安遷都のきっかけになったのかも知れないと思うと、いろんな意味で大仏様の皮肉な運命を感じます。

いずれ奈良に行って、是非一度大仏さまを拝みに行きたいと思いました。


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