元祖ブログ寿司・鎌倉店
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名声への執着
2007年06月03日 (日) 02:25 | 編集
男はつらいよ
 最近また更新のペースが落ちてるなあ、なんてボーッと過ごしていたら、知らないうちにブログ開始一周年を迎えてしまいました。

日記と言う程まめでもなく、随筆とい言う程中身もない。そんな当ブログは、未だ立ち位置が定まらない自分自身の鏡でもあり、閑散期と言う現実を「おしながき」欄からも一目瞭然に思い出させてくれる、浮き世の窓なんであります(哀)。

さて、気持も新たに今回は、前エントリーでも少し触れましたHDDレコーダーから始まるお話。

この春から我が家にもようやく装備されましたこのナイスガイ、何で早く買わなかったのか後悔しているくらい素晴らしさをエンジョイしております。
 
歌舞伎の舞台中継など長丁場を高画質で録画できる点も良いんですが、番組表表示による簡単な録画設定のお陰で、以前なら録画してまでは見なかったような、NHKの5〜10分ほどの短い番組などを気まぐれに撮って観ては、意外な発見をしたりするのもまた、仕事の合間(あくまで合間)のささやかな楽しみだったりします。

今日もそんな感じで、「羅生門」「土佐日記」などの有名文学を10分でさらっとおさらいすると言う番組を観ていました。テーマは同様に教科書の定番だそうですが残念ながら習った記憶がありません。(寝てた?)

中島敦「山月記」という作品です。

大体のあらすじはウィキペディアにもありますが、昔々の中国の古典を元にしたお話。

若くして科挙に合格し役人になった主人公が、自分より能力の無い上司に従えず、詩人になり名を残す夢を追うため妻子のある身でありながら職を辞してしまいます。

故郷で隠遁生活を送り創作に打ち込む主人公でしたが、いつまで経っても芽を出す事が出来ず、貧乏に耐えかねた彼は地方役人として再就職します。

だがある日、出張先の宿からこつ然と姿を消してしまうのです。

それからどのくらい経ったか、親友でもあった役人時代の同僚が供を引き連れ何処かへ向う旅路、夜の山道で一頭の虎に襲われます。

ところが、虎は同僚に飛びかかる寸での所で身を翻し、草むらに身を隠すと「危ない所だった…」と何度も呟くのでした。



そう、その虎こそ姿を消した主人公の成れの果てだったのです。



ひととき人間の心を取り戻した主人公が、旧友と語り合います。

なぜこんなことになったのだろう。わからぬ。
全く何事も我々にはわからぬ。

理由もわからずに押しつけられたものをおとなしく受け取って、理由もわからずに生きてゆくのが、我々生き物のさだめだ。



そして、

こんなあさましい身となり果てた今でも、おれは、おれの詩集が長安風流人士の机の上に置かれているさまを、夢に見ることがあるのだ。



と、人間だった頃に残せなかった詩を旧友に託すと、何か悟った様にこう続けます。

かつて郷党の鬼才言われた自分に、自尊心がなかったとは言わない。しかし、それは臆病な自尊心とも言うべきものであった。

おれは詩によって名を成そうと思いながら、進んで師に就いたり、求めて詩友と交わって切磋琢磨に努めたりすることをしなかった。

ともに、我が臆病な自尊心と、尊大な羞恥心とのせいである。

これが俺を損ない、妻子を苦しめ、友人を傷つけ、果ては、おれの外形をかくのごとく、内心にふさわしいものに変えてしまったのだ。



そう言うと、何処へとも姿を消して二度と表れなくなったと言う話です。



「才能が無い」と言うことは自分でも解っているつもりですが、頭の片隅に相変わらずこびりついて離れないのが「自分には何かあるはず」という思い。

所謂中二病的なあからさまさは無いにしろ、こう言ういいオッサンになっちゃうと、それが、普段表に出ない宿便の様になっちゃって、尚更やっかいです。

放っておいてもたまに頭が便秘をおこす程度なんですが、これが実は諸悪の根源なんだろうなあと、見てみぬフリをしていた自分に気付きました。

アナウンサーのナレーションにのせて聞こえてくる文章が、便所ブラシの様に頭蓋骨の裏側をこすり、裏ッ返して自分の卑小な部分を目の前に晒してくれている様でした。


「臆病な自尊心と、尊大な羞恥心」なんて的を射すぎてるよ。

俺、寅年生まれだしなあ。


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中島 敦 (1994/07)
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コメント
この記事へのコメント
トラなんだ
1周年おめでとう!!

寅年なんだ。
うちの母も弟もトラです。しっかり猫型。
ちなみに私は猿。旦那と娘は兎なんだな。

HDDレコーダーは我が家の後継機種を買ったのね。うちもそろそろもう1台欲しかったりします。でも、ハイビジョン放送を録るとすぐにハードディスクが無くなるのでもう少し待っています。

トラになっちゃうおっさんの話は「山月記」というお話しだったのか~。タイトル知らなかった。羅生門はね、教科書以外にも先生命令で文庫本を買った覚えがあります。でも内容は覚えてないよ。本棚に埋まってるけど。(^^;
2007/06/03(日) 18:13 | URL | オムレツ #-[編集]
寅かぁ、弟と同じだね。
「山月記」
この話、見につまされますね。
ところで、中島敦といえば
「悟浄歎異」が面白いです。
旅の空の下、沙門悟浄がブツブツ言ってるんです。
2007/06/04(月) 10:58 | URL | otoshimono #nzFqHUxk[編集]
寅なんですけど
誕生日が節分前なので、暦的には丑年のカテゴリーにされます。寅のが格好いいでから好きですけど(笑)。

山月記については、それに限らず教科書に載るだけあって、名作はやはり名作なんだなとしみじみ感じる今日この頃です。いくら先生に解説されても10代のハナタレに人生の機微なんで解るわけもないですもんね。

そんなわけでまたamazonのカートに本が増えてしまいます・・・。
2007/06/13(水) 21:03 | URL | ゴロー #6Zy7usvE[編集]
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